何とか電車には乗り込んだ。 だが、本当の地獄はここからだった。
とにかく痛い。 脂汗を流しながら、必死の形相でつり革につかまる。 電車が揺れるたびに、全身が緊張する。ケツに力が入ると、鋭い痛みが走るのだ。
「もし、急ブレーキでもかかったら……」 想像するだけでも恐ろしい。
何とか地元の駅に着いたが、試練は続く。 相変わらず足を上げるのが辛い。超スローペースのすり足で、這うように進む。 改札口へ向かうため、エスカレーターに乗った。
そして、降りようとしたその時――。
ピキーン!!
痛みMAXの激痛、再び!
またやってしまった……。 足が上がらず、エスカレーターの段差で躓いたのだ。 あれほどの激痛を知りながら、なぜ同じ過ちを繰り返すのか。 歯を食いしばり、自分を責めるしかない。
「二度と同じ失敗はしないぞ!」 そう誓い、タクシー乗り場へ。
タクシーに乗り込むのも一苦労だ。 ここで働いたのは、「痔だとは思われたくない」という無駄なプライド。 あえて腰の辺りをさすり、「腰痛なんですアピール」をしながら車内へ滑り込む。
ボロボロの体で、無事に自宅へ到着。 これほど苦労した帰宅は、生まれて初めてだった……。
幸いにも明日は休日。 「1日休めば何とかなるだろう」 その時は、まだそう楽観視していたのだが……。
つづく

