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はじめての肛門科。未知なる「指」と「金属」の洗礼

肛門科への通院 (1)

会社の最寄り駅にあるクリニックへ向かった。 (ちなみに、現在はすでに閉院してしまっている。私の痔の歴史を知る場所が一つ消えたことになる……)

そこは「肛門科専門」ではなく、町のお医者さんといった風情。 待合室には親子連れやお年寄りもいて、自分が普段通っている内科と同じような牧歌的な雰囲気だ。

ただ、待合室は狭い。 診察室との仕切りはカーテン一枚(だった気がする)。 「中の会話、丸聞こえじゃないか?」 そんな不安がよぎる。

名前を呼ばれて診察室に入ると、初老の優しそうな先生が待っていた。 まさに「赤ひげ先生」といった雰囲気で、少し安心する。

症状を話すと……来た。 避けては通れない道。そう、触診だ。

「じゃあ、ズボンを下ろしてベッドに横になってください」

言われるがままにケツを出し、ベッドの上で横向きになる。 先生におしりを向ける、この無防備な体勢。 何度やっても慣れないが、この時は正真正銘の「初めて」だ。羞恥心がMAXに達する。

背中側なので何が起きているかは見えない。 手慣れた気配だけが伝わってくる。先生が尻の肉をグイっと広げる。

すると、ヌルっと指が肛門に挿入された……。

(……ん? 意外と痛くないぞ?) これなら耐えられる。

一息ついて終わりかと思いきや、背後で「カチャカチャ」と無機質な金属音が鳴る。 何だ? 何を取り出したんだ?

次の瞬間。

ぐぉっ……!!

これは痛い!! 指とは違う、硬い「器具」がねじ込まれ、そこからグググっと広げられる感覚! 内側からこじ開けられるような鈍痛が走る。

「はい、終わりですよ~」

診察自体はスムーズだった。 痛みはあったものの、それ以上に「お医者さんに診てもらった」「確定診断が出る」という安堵感が押し寄せる。

診断結果は詳しくは覚えていないが、恐らく「裂肛(切れ痔)」と言われた気がする。

処方箋をもらい、調剤薬局で薬を受け取って会社へ向かう。 お尻に違和感を抱えつつも、心は少し晴れやかだった。 これが、私の長い長い痔主(じぬし)生活の幕開けとも知らずに……。

(つづく)